ご挨拶
ご挨拶
私たちは戦後、国民皆保険制度を中心とした様々な努力によって、世界でもっとも長生きできる社会を築き上げてきました。経済が成長している間は、医療にかけられる費用は国別で比較すれば低い水準に抑えられ、かつ、予算の制約が切実な問題となることはありませんでした。しかし、人口構成や政治・経済的な環境の変化によって、急増する医療費をどう節約するかということが喫緊の課題となっていることはご承知の通りです。その医療費の内訳をみると、薬剤費の伸びは際立っており、医薬品の使用量の増加に伴って国民の薬学的なリスクも増大していることが読み取れます。
医薬品の使用にあたって、国民に対して専門家として責任を負うのは薬剤師であり、
1. 国民が医薬品を使用する(あるいはしない)ことで得られる治療効果を最大化する
2. 国民が医薬品を使用する(あるいはしない)ことで生じるリスクを軽減する
3. 国民が必要なときにいつでも薬学的なサービスを受けられる保険制度を維持する
という3つの目標を達成するために、薬剤師と薬局が担う責務はきわめて広範囲にわたります。
薬事政策研究所は、これらの目標を達成するために政府や各種組織と薬局・薬剤師との架け橋となることをめざし、保険薬局の経営者から構成される保険薬局経営者連合会を母体として設立されました。
薬事政策研究所は
1. 薬局において医薬品が提供される際に発生する情報を包括的に管理するシステムの構築
2. 薬局実務の品質に関するデータの蓄積
3. 薬事政策の提言
を実行し、我が国の薬剤師と薬局が3つの目標を達成するための環境を整えてまいります。
何卒、ご支援とご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。

平成25年11月9日
薬事政策研究所 代表取締役
田代健